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05.26 ゲリラ豪雨・気象予報士つぬたり考察

カテゴリ : その他・独り言など
ちょうど1か月前に書いた04.25ゲリラ豪雨の記事に関して
気象予報士のつぬたりさんが自身のブログ内にて回答してくれたので転載します。

以下転載です。
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外遊びにおける激しい気象現象への備え

ペーパー気象予報士つぬたりです。

いとこのたーたん氏のブログで、いわゆる「ゲリラ豪雨」の予報に関するトピックがありました。そこで、それに関してアウトドア実践派予報士としての私なりの見解を記載し、皆様がフィールドでの活動をより安全に、自然を適度に恐れながら楽しんでいくための参考としていただこうと思います。

まず、ゲリラ豪雨のような局地的な現象は、例えば「今日の昼間に関東のどこかで起こるかも」というくらいは大体わかります。しかし、その精度ではアウトドアの現場には役に立ちません。

現実的には、ピンポイント(市町村単位くらいの空間メッシュ&30分単位の時間メッシュ)でいつ・どこで起きるかを、その日の朝のうちから正確に予報することはほぼ不可能です。おそらく今から50年経っても無理な気がします。そのためには、そもそもとんでもなくきめの細かい気象観測網と膨大な数値計算が必要になるからです。

また、原理的に言って「時間と空間のスケールは連動する」ということを知るのも極めて大切です。ローカルな現象は時間が短く、大きな現象は時間が長い。予報についても、対象とする範囲が狭くなればなるほど、直近の短い時間についてしか確かなことは言えなくなり、その先は急激に不確かになっていきます。「一週間先まで頼れる局地予報」のようなものが実現されるのを待つのはさっさと諦めましょう。

それでは、ゲリラ豪雨のような局地的で激しい現象に対して、アウトドアの安全性を高めるために何ができるか?私の考えは下記の通りです。

1. まずは大まかに、「今日はそういうことが起こりやすい状態」という現状を認識する。この際、天気予報の「大気が不安定」というのは要注意ワードです。簡単に言うと大気の鉛直方向の温度傾斜がきつく、それを解消するために上と下がひっくり返りやすい→激しい対流によりモクモク雲ができて雨が降り、雷が発生し、下降気流が地面に当たって広がる時に突風が吹くということだからです。

このキーワードを耳にした時点で、今日は海や山での外遊びはやめておこうと判断するのもアリです。または、地面が温まって大気の不安定度が増してくる前に、午前中の早い時間にあがって帰るなど行動計画に柔軟性を加えるのも意味があります。とにかく心の中に警告ランプを一つ灯しておくことが極めて重要です。

この時には、見ている空間と時間のスケールは日本全土・半日~一日くらいです。地上天気図がやはり基本で、それに高層天気図を加えることができれば現象の理解が深まります。

2. 現場に着いたら、フィールドへ出る前に最新の状況をチェックする。ここでは先ほどの大きなスケールの情報に加えて、時間・空間ともにきめの細かい情報も必要です。

公共情報としては気象庁のレーダー・ナウキャスト(= now + forecast)が代表的で、それだけでもかなり役に立ちます。また、アメダス観測データを注意深くチェックし、近くに変な動きをしているところがないかを確認するのも有効です。気温や風向きが急に変わっているところや、周囲に比べ際立って多くの降水が観測されている地点があったら要注意です。

それに必要な装備として、ノートパソコンやスマートフォンの普及は歓迎すべき流れです。そのためだけにお金を払う価値あり。貴重な休日を心おきなく楽しむための有効な投資です。

3. フィールドへ出たら、上記のリアルタイム情報を定期的にチェックする。かつ、身の回りの天気の変化に絶えず注意を払う。

予報技術がどれほど進んでも、天気の基本は実況の観測であり、そして観測の基本は大気の変化を人の目と肌で感じとることです。個人的には、天気に関する人間の感覚というのはかなりあてになると思っています。空の明るさや雲の分布・形を目で見ることはもちろんですが、一番大切なのは「空気が顔をなでる感じ」に注意を払うことかな。顔をなでる感じは風の強さや温度・湿度、そしてそれらの時間的な変化を総合的に捉えているものです。

以上長くなりましたが、1. 事前に総観的なスケールの情報で心のスイッチを灯し、2. 直前には最新かつローカルな現況をチェックし、3. 現場ではそれらの情報の最新版と、あとは肌の感覚を研ぎ澄ませて天気の変化に注意を払うということでしょうか。

肌感覚はもちろん経験の積み重ねにより磨かれていきますが、色々な気象情報に関しても、解釈の練習および現場で起きたことからのフィードバックの繰り返しにより、注意すべきポイントや情報の見方の「感覚」が次第に身についてきます。

また、情報の集め方に関していうと、複数の天気予報サイトを見比べて判断するというのは誰しもやっていることだと思います。しかし、本当に大切なのは同じようなスケールの予報を横並びで比較することではなく、スケールの異なる情報を階層的に収集することです。

気象庁のサイトだけでも、気象衛星画像や天気図(地上・高層)および各地の天気予報・週間予報といった数千キロ規模・数日単位の大きなスケールの情報から始まり、アメダスによる数十キロ・数時間単位の実況の動き、そしてレーダー・ナウキャストによる5kmや5分といった極めてメッシュの細かい短時間の予報など、各階層にわたる情報が公共の資源として無料で配信されています。日本は素晴らしい!背後でそれを支えている人々の努力や設備投資を考えると、まさに税金を払っている甲斐があるというもの。これを活用しない手はありません。あとは民間気象会社の有料サービスに加入し、海や山など自分の活動分野に関する彼らなりのコメントを参考にする(でも、鵜呑みにはしない)のもいいと思います。

そして、それら諸々の情報収集や現象の解釈に確固たる背骨を通しておくためにも、アウトドア諸兄は気象学の基本的なところは勉強しておくのがやはりお勧めです。次回はそのために役に立ちそうな本をいくつか紹介したいと思います。いつになるかはわかりませんが…。
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6件のコメント

[C1106] フムフム・・・

なるほどです。
真剣に読みふけってしまいました。

肌感覚には自信ありますが、なるほどなぁと・・・
メモメモ((φ...(-∀-*)ニタニタ

[C1107]

うんうん、なるほど
予防は出来ることを効果的に行うことと読みました

>観測の基本は大気の変化を人の目と肌で感じとること

プロの方がそういわれると重みがあります。
自然を侮らず、観察を忘れないことでしょうか

本の紹介、お待ちしてます

^^
  • 2011-05-29 17:03
  • 投稿者 : マメぞー
  • URL
  • 編集

[C1108]

隊長

私も何度も読み返しました。
お役にたてれば!(^^)!
いいっす^^
  • 2011-05-29 20:56
  • 投稿者 : たーたん
  • URL
  • 編集

[C1109]

マメぞーさん
つぬたり氏は従妹なので今度会ったときにもっと詳しく聞いてみようかと思ってます。
気象予報はデータ蓄積の賜物かと思いますがやっぱり人間の感性、優れているんですね。
  • 2011-05-29 20:58
  • 投稿者 : たーたん
  • URL
  • 編集

[C1110]

近くに専門家が居ると心強いですね。
次回も楽しみにしております^^
  • 2011-05-29 22:09
  • 投稿者 : コロニャー
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  • 編集

[C1111]

コロニャー さん
近くといっても頻繁に会うわけじゃないんですが、突っ込んで聞けるのでチャンスではありますよね。
とはいえ何をどう突っ込むか、こっちも勉強しないとです^^
  • 2011-05-29 22:35
  • 投稿者 : たーたん
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